NHKの受信料、「不払い」と「未契約」の人はどれくらいいるのか。また、裁判を起こされる確率は?

NHKの受信料の問題
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はじめに

こんにちは、草津会計士blog(@kkblog731)です。

このブログを見て下さっている方には、「受信料を支払っている方」、「受信契約はしているけど受信料を支払っていない方」、「テレビやワンセグを持ってるけど受信契約をしていない方」のそれぞれいらっしゃるかと思います。みなさん、「自分と同じ状況の人はどれくらいいるのだろうか」という疑問を持つのではないでしょうか?また現在受信料を支払っていない、または契約をしていない方は、「NHKの集金人や民事訴訟がいつやって来るのか」と不安に感じている方もいらっしゃるかと思います。

そこで今回は、「受信料を支払っている世帯」、「受信契約をしているが受信料を支払っていない世帯」、「受信設備を設置しているが受信契約をしていない世帯」がそれぞれどのくらいの数と割合なのかこれらは過去どのように推移しているかということを調べてまとめました。

また、「NHKの民事手続きの状況」についてもまとめています。

受信契約及び支払の状況

まずは、受信料を支払っている世帯」、「受信契約をしているが受信料を支払っていない世帯」、「受信設備を設置しているが受信契約をしていない世帯」がどのくらいの数と割合なのかということを見てみましょう。

これは、NHKが公表している2018年度(2018年4月1日~2019年3月31日)の決算概要(*1)に記載されている情報をベースにしています。

1.受信料を支払っている世帯

  • 世帯の数  :4093万世帯
  • 世帯の割合 :  82.0%

2.受信契約をしているが受信料を支払っていない世帯

  • 世帯の数  :  76万世帯
  • 世帯の割合 :   1.5%

3.受信設備を設置しているが受信契約をしていない世帯

  • 世帯の数  : 822万世帯
  • 世帯の割合 :  16.5%

こうしてみると、2番の「受信料を払っていない世帯」が全体の1.5%というのは、意外と少ない印象です。逆に、3番の「受信契約をしていない世帯」が全体の16.5%というのは、だいたい6世帯に1世帯ということになるので、結構多いように思われます。

過去の推移

次に、先ほどみた世帯数の過去の推移はどうなっているのでしょうか

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上の表は、2012年度~2018年度の「受信料の支払数・未収数・未契約数」推移を表したものです。

  1. 支払数 :受信料を支払っている世帯
  2. 未収数 :受信契約をしているが受信料を支払っていない世帯
  3. 未契約数:受信設備を設置しているが受信契約をしていない世帯

この推移を見ると、受信料を支払っている世帯の割合は年々増加傾向にあることが分かります。これは、受信料制度を合憲とした2017年12月の最高裁判決や、営業改革が大きく影響していると見られています。

ただし、これは2019年3月末までの数値です。その後、2019年7月の参議院選挙で「NHKから国民を守る党」の立花孝志氏が議席を獲得しています。その後、NHKを巡る世論に変化が起きていることも考えられるため、現時点で見ると少し違う結果になるかもしれません。

NHKの民事手続きの状況

それでは、これらの人に対するNHKの対応、つまり、民事手続きの状況はどうなっているのでしょうか

NHKが公表している「放送受信料にかかる民事手続きの状況について」(*2)によると、以下のような数値が公表されています。なお、これらの数値は平成18年11月から平成31年6月までの累計数値のようです。

受信料未払い者に対する支払督促の状況

  • 支払督促申立て総件数      10,847件
  • 異議申立により訴訟に至った件数 : 4,603件
  • 強制執行申し立て件数      : 1,404件

NHKの「よくある質問集」では、次のように説明されています。

「支払督促」とは、簡易裁判所への申立てにより、簡易裁判所の書記官から送られる支払いの督促であり、受信契約を結ばれているが受信料未払いの方が対象となります。「支払督促」は、民事訴訟法382条に根拠をおきます。

督促を受けた方から異議申立てがなければ、差押えなどの強制執行も可能となりますが、異議申立てがある場合は、通常の訴訟に移行することになります。

NHKとしては、訪問や文書などを通じて受信料制度の意義を誠心誠意丁寧にご説明し、お支払いをお願いする努力を重ねた上で、それでもなおお支払いいただけない場合の最後の方法として、民事手続きによる支払督促の申立てを実施しています。

出典:「支払督促」「民事訴訟」とはどのようなものか(法的根拠は何か)-NHKよくある質問集(*3)

まずは「支払督促」から始まり、「訴訟」「強制執行」などに移行するようです。

試しに一番上の「支払督促申し立て総件数」を「受信料を支払っていない世帯数」で割ってみると、1.4%となります。この数字が「支払督促が来る確率」とは言えないのですが、一つの参考にはなるかと思います。

放送受信契約の未契約者に対する提訴の状況

  • 世帯      :409件
  • 事業所     : 38件

NHKの「よくある質問集」では、次のように説明されています。

「民事訴訟」は、テレビを設置しているにもかかわらず、受信契約を結んでいただけない世帯や事業所が対象となります。

未契約の世帯や事業所に対しても、訪問や文書などを通じて受信料制度の意義を丁寧にご説明し、ご契約とお支払いをお願いしていきますが、こうした努力を重ねてもなお、ご契約いただけない場合の最後の方法として、受信契約の締結や受信料の支払いを求める民事訴訟を実施しています。

出典:「支払督促」「民事訴訟」とはどのようなものか(法的根拠は何か)-NHKよくある質問集(*3)

未契約者に対する提訴は、受信料未払い者に対する民事手続きの総数と比べると非常に少ないようです。

試しに「提訴を受けた世帯数」を「受信契約をしていない世帯数」で割ってみると、0.005%となります。この数字が「提訴を起こされる確率」とは言えないのですが、一つの参考にはなるかと思います。

おわりに

今回は、「受信契約及び支払の状況」、「民事手続きの状況」をまとめました。

これらの情報が、みなさまの参考になれば幸いです。

最後までお読みいただきましてありがとうございました。

(参考・出典)

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