はじめに
今回は、「スクランブル放送が実現するとNHKはどうなるのか」ということをお話したいと思います。
こんにちは。公認会計士の草津と申します。会計士というと堅苦しいイメージがつきものですが、今回はできるだけ皆さんに興味を持って読んで頂けるよう、ストーリー仕立てにしてお届けしたいと思います。
この記事は、「もしスクランブル放送が実施されたら、私たちの身の回りでは何が起こり、どのような結末を辿るのか」を予測したシナリオになっています。
現在NHKに受信料をお支払いしている方は、「これと同じ状況になったときに、自分だったらどんな選択をするだろう?」と想像しながら読んでみてください。お支払いしていない方も、この先NHKの未来をうらなうような気持ちで読んで頂けると面白いかもしれません。
なお、話を単純化するために、このシナリオではNHKの衛星(BS)放送のスクランブル化のみに焦点を当てています。完全スクランブル化としても基本的な方向性は変わらないのですが、一応【衛星放送のみのスクランブル化が実施された】という前提でお読みください。
注意:この記事中の記述は、いくつかの仮定を基に作成された将来の予測であり、フィクションです。
NHK衛星スクランブル化から崩壊までの予測シナリオ
スクランブル開始直後(非視聴者の離脱)
NHK「来月からBSスクランブル放送が開始されます。視聴料は今までと変わらない月額900円です。これからも引き続き、新しく生まれ変わったNHKをよろしくお願いします。」
もしテレビでこんなアナウンスが流れたら、あなたはどのような行動をとりますか?
まずはじめに反応したのは、普段あまりテレビを見ない人たちです。
「やっとスクランブル放送がはじまったか。今までは契約が義務付けられていたから仕方なく払ってたけど、BS放送とかどうせ見てないんだから払うわけないよね。NHKをぶっ壊す!なんちゃって(笑)」
ひとり暮らしの若年層を中心とする多くの人たちが、スクランブル開始と同時に契約を解除することにしました。
当初の加入件数2162万件のうちの6割がNHK衛星放送を解約しました。残りの加入件数は865万件(40%)です。
スクランブル開始から3か月後(ライトユーザーの離脱)
NHK「来月からBS放送の視聴料が月額2250円になります。皆様には負担をお願いすることとなりますが、NHKは視聴者のみなさまによって成り立っています。どうか、みなさまのご理解のほど、よろしくお願いします。」
ある日、何気なくチャンネルを変えていたら、こんなアナウンスが流れました。
「いきなり値上げ~!?BS放送って、たまにチャンネル変えて面白そうな番組があったら見るくらいなんだよな。そもそもBSだけで月額2000円超えってマジかよ?そんなんだったらメンタリストDaiGoのニコニコチャンネルに月額540円で入会した方が、仕事面や恋愛面などでよっぽど役に立つだろうな。」
働き盛りの世代など、値上げを契機にしてこんな風に考える人が出てきました。
さらに半分の人がNHK衛星放送を解約しました。残りの加入件数は432万件(20%)です。
スクランブル開始から9か月後(テレビ好き層の離脱)
NHK「来月からBS放送の視聴料が月額4500円になります。今後とも、よりよい番組づくりのために活かして参りますので、みなさまのご理解のほど、よろしくお願いします。」
今まで家族でBSドラマを見ていた家庭でも、そろそろ視聴料の負担が家計に響くようになってきました。しかも、値上げしているのにもかかわらず、明らかに番組の質が低下しているのです。
「月に4500円あればスカパーのチャンネル5つとWOWOWのチャンネル3つをあわせてもお釣りがくるわよね。それとも老後に備えて貯金に回した方がいいかしら」
普段からテレビをよく見ている主婦たちの間では、こんな話がされるようになりました。
一方そのころ、契約を解除した家庭では、頻繁に訪問営業にくるNHK職員がしつこくて困り果てています。
さらに半分の人がNHK衛星放送を解約しました。現在の加入件数は216万件(10%)です。
スクランブル開始から1年後(ファン層の離脱)
NHK「来月からBS放送の視聴料が月額9000円になります。」
これを聞いてびっくりしたのは、白黒テレビの時代からNHKを欠かさず見ていた、富山県に住む63歳男性です。
「月額9000円だって!いくらなんでも高すぎやしないか?そもそも何で内容が変わらんのに料金だけ1年で10倍になるんだ。それどころか最近はくだらん番組が増えすぎだし、無駄遣いが直らんからこんなことになるんだ。ええい、もうこうなったらNHKは衛星放送はおろか、地上放送だって見てやるものか!!」
ちょうどこの頃、NHK職員による高齢者への不適切な受信契約の実態が発覚し、大きな社会問題となりました。
スクランブル開始から3年後(BS放送からの撤退)
そしてある日、あなたがテレビをつけるとこんなニュースが流れてきました。
フジテレビ「本日、日本放送協会が記者会見を行い、衛星放送から完全撤退する方針を固めたとの発表を行いました。なお、衛星放送部門の債務超過額はおよそ2800億円とされており、政府は税金による補填を視野に対応策の検討を進める方針です。NHKは3年前に衛星放送のスクランブルを開始しましたが、視聴者離れの加速により視聴料金の値上げに歯止めがかからず、事業の継続が困難と判断したものと見られます。なお、当時の『NHKから国民を守る党』の党首であり、政治家引退後は人気格闘家YouTuberとして知られる立花孝志氏は、動画配信サイト上で自身の動画を公開して次のようにコメントしています。『NHKをぶっ壊…」
~End~
おわりに
いかがだったでしょうか。
ここまで読んで頂いた皆様の中には、実際にこうなるかもと不安を覚える方も、さすがにそんな極端なことにはならないだろうと懐疑的に捉える方もいらっしゃるかと思います。もちろん、あくまでもこれは考えられる一つのシナリオであり、実際にこの通りになるとは限りません。
ただしこのシナリオは単なる想像ではなく、公認会計士としての知見をもとに、実際の数値や統計など根拠のあるデータに基づいて作成したものです。そのため、仮にスクランブル放送が実施されれば、このような結果になる可能性は非常に高いと考えています。
続きは以下の記事です。第2回では、なぜこのシナリオのように「NHKがぶっ壊れる」といえるのかを解説しています。

最後までお読み頂きまして、ありがとうございました。
参考にさせて頂いた動画
政治家YouTuberの立花議員が、NHKがスクランブル放送をしたらどうなるかというのを分かりやすく解説している動画です。話し方がとても明快で分かりやすいので、うらやましいです。
メンタリストDaiGoさんが、NHKが何年でぶっ壊れるのかを組織心理学の観点から考察している動画です。全く違うタイプに見えるの立花議員とDaiGoさんが、YouTubeを通じてお互い興味を惹かれあっているというのは、見ていてとても面白いですね。
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