NHK職員の給料は高すぎる?大規模上場会社55社との比較

NHK職員の人件費の問題
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はじめに

こんにちは。公認会計士の草津です。

NHK職員の給料は高すぎ!?民放5社との比較
はじめにこんにちは。公認会計士の草津です。今回は、NHK職員の給料について調べてみました。NHK職員の平均給与は、民間の放送会社に比べて高すぎるのか?それともあまり変わらないのか?それでは見ていきましょう。平均年収ランキングから...

前回の記事では、NHKの給料が民間の放送会社と比較して高すぎるのかを考えてみました。しかし、公表されているデータからは効果的な分析ができないという結果となりました。そこで今回は切り口を変えて、NHKの平均給与を大企業の平均給与と比較して、高いのか低いのかを調べてみました。

今回の調査の趣旨

前回の記事では、有価証券報告書で開示されている民間の大手放送会社5社の平均年間給与をNHKの平均給与と比較しました。しかし、民放の平均年間給与は持株会社のごく一部の従業員のみを対象にしているため、1万人以上いるNHK職員の平均給与との比較では実態を正しく表していないと結論づけました。

しかし、民間の放送会社の企業グループ全体(または放送部門全体)の平均給与は公表対象となっていないため、似たような前提条件で比較することは難しいことが分かりました。

そこで、今回は有価証券報告書で従業員の平均年間給与を開示している上場会社のうち従業員数が1万人超の大企業に絞って、NHKの平均年収との比較を行いました

従業員数が1万人超の大企業としたのは、同じような規模の会社と比較することで全体的な傾向がつかめると考えたからです。

もちろん、業種や業態によって社員の業務内容や人員構成などが異なるため、これだけで合理的な水準であるかを判断することはできません。例を挙げると、単純作業をしている従業員が多い製造会社と、高度な知識が求められるコンサルティング会社とでは、求められる知識や経験が異なるので給与水準が違うのは当然です。

しかし、一定規模以上の大企業になると、企業全体である程度そのような業種による差が少なくなると考えられます。なぜかというと、これらの大企業の事業を行う上では、事務職や専門職、営業職などが似たような割合で必要になると考えられるからです。

なお、調査にあたっては、以下のサイトを参考にさせて頂きました。

www.ts-hikaku.com

また、NHKの平均給与については、当ブログの以下の記事で算定した1075万円としています。この値はNHKの公表数値ではないので信ぴょう性を保証できるものではありませんが、公表数値から計算された一定程度合理的な値ではないかと思います。

調査結果

調査結果の要約は以下の通りです。

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従業員数1万人超の上場会社数は55社、平均年収は729万円

従業員数が1万人を超える大規模な上場会社の会社数は55社ありました。55社の加重平均年収は、729万円となっています。一方でNHKの平均年収は1075万円です。

つまり、従業員が1万人を超える上場企業55社の平均年収と比較すると、NHKの平均年収は346万円47.5%)多いということが言えます。

平均年収トップは清水建設の967万円、NHKの1075万円を下回る

55社のうち、平均年収が最も高い会社は清水建設の967百万円です。これはNHKの平均年収1075万円を下回ります。

つまり、従業員が1万人を超える上場会社55社にNHKを加えると、NHKの平均年収が最も高いということが言えます。

おわりに

このように、今回の切り口からはNHKの平均年収は大規模上場会社と比較しても高いという結果となりました。

もちろん、業界や職種などによって給与水準が異なりますので、これをもってNHK職員の給料が高すぎるとは一概には言えません。ただ、並み居る日本の一流企業の中で、相当高い給与水準となっているということは言えるのではないでしょうか。

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